第1回技術系災害ボランティアの発掘・育成・連携を考える検討会

3月に開催した準備会に引き続き、第1回技術系災害ボランティアの発掘・育成・連携を考える検討会が開催されました。

検討会では、長岡市社協、新潟県社協、長岡市、新潟県、ひのきしん隊、DRT-JAPAN、DPLS-JAPAN、長岡技科大など、社協、行政、民間支援団体が一堂に会して意見交換を行いました。

意見交換の中では、

  • 高齢化や社会情勢の変化などにより、今、中越地震や7.13水害クラスの災害が起こった場合には、当時と同じような対応が難しくなってきていることから、それに対応する体制整備が求められていること
  • 技術系のボランティアの担い手については、県外市外頼りでは限界があるので、地元の業界団体などとの連携の可能性を検討する必要があること
  • 災害救助法の適用により、どの程度、技術系の活動を支えるための費用が負担できる可能性があるのか、過去の災害を基に調べておく必要があること
  • 技術系との連携を踏まえた災害ボランティアセンターのあり方について検討を行う必要があること

などと言ったことが話し合われました。

今後は、上記の内容について、より具体的な検討を進めていき、今後の検討につなげていく予定です。

技術系災害ボランティアの発掘・育成・連携を考える検討会 準備会

昨今の災害では、地震災害時の屋根のブルーシート張りや土砂災害の際の床下の泥の撤去などのように、通常の災害ボランティアだけでは対応できないケースが多くあります。
そういったケースでは、全国の専門的な技術を有したNPOやボランティアなどが活躍をしていますが、マンパワー的にも資金的にも限界があるのが実情であり、長岡で災害が発生した場合でも、全国で災害が多発した場合には、十分な支援につなげられない可能性が危惧されます。
また、通常の災害ボランティアセンターとの連携や役割分担の明確でないため、今後、体制の整備につなげていくことが大切です。

そこで上記のような課題を検討するために、チーム中越/長岡協働型災害ボランティアセンターでは行政や社協、有識者や建築関係業者の皆さんに集まっていただき、検討会を行うこととしました。

検討会では、技術系の災害ボランティア団体と災害ボランティアセンターの災害時における連携や技術系災害ボランティアの活動を支える仕組みづくりについて検討を行うと共に、災害が全国各地で発生した時のために、長岡市内ならびに新潟県内における技術系災害ボランティアとなり得る人材や団体の発掘ならびに育成についても検討を行うことで、今後、起こり得る災害への備えを進めていく予定です。

検討会に先立って開催された準備会では、過去の災害の経験などから論点の整理を行いました。主な論点は以下の通りです。

  1. 技術系災害ボランティアの担い手の確保
  2. 災害ボランティアセンターとの連携
  3. ブルーシート張りなどの作業工法の改善
  4. 啓発活動
  5. 災害救助法との関係

今後、まずは長岡市内で災害が起こった場合にどのように対処できるか(誰にどのように対応を依頼できるか、災害ボランティアセンターとの連携をどうするかなど)を、具体的に検討していく予定です。

長岡災害ボランティアセンターの設置訓練を実施しました

2月1日にながおか市民防災センターにおいて、災害ボランティアセンターの設置訓練が行われました。

ながおか市民防災センターは、平常時は一階の屋根付き広場は子どもたちの遊び場として開放されていますが、災害時には災害ボランティアセンターとして使われることになっています。

この日の訓練は、すべて、長岡市社協や野村防災、中越防災安全推進機構などの若手によって、計画、実施されました。
中越地震から14年が経過したうえ、長岡市内では幸いここ数年災害に見舞われることがありませんでしたが、その反面、どのように経験をつないでいくかが課題となっています。

そういった状況下で、若手主体でこういった訓練が行われること自体に意味があると感じています。

【案内】災害時の技術支援を考えるワークショップを開催します。

背景ならびに目的
東日本大震災、熊本地震、九州北部豪雨などの災害においては、DRT JAPANなどの土木や建築などの専門の技術や知識を持った災害ボランティアが、重機を用いた土砂等の撤去作業や屋根のブルーシート張り、チェーンソーなどのパワーツールなどを扱う作業など、一般のボランティアには難しい作業を担うことで、被災地の復旧・復興に大きな役割を果たしています。
しかしながら、屋根に張るブルーシートや土嚢袋などといった資材は、汎用の商品を用いているために使い勝手が悪いなどといった課題がある他、それらの活動は特殊技術を求められるために交代要員の確保が難しいことから、限られた技術系災害ボランティアの皆さんの熱意によって成り立っているのが現状です。
そこで、今回は支援現場での作業効率や機能性を向上するためにはどのような商品が求められているかを明らかにすると共に、技術系災害ボランティアの活動を支えるための仕組みづくりやその可能性について考えるワークショップを行い、今後の技術系の災害ボランティアの皆さんの活動の支援につなげます。

実施日時;平成30年10月23日(火)13:30~16:30
実施場所;長岡震災アーカイブセンターきおくみらい
〒940-0093長岡市大手通2-6フェニックス大手イースト2F

特別ゲスト
・ NPO法人コメリ災害対策センター
・神林瓦店

参加対象者
・技術系災害支援に関係する民間団体関係者
・新潟県ならびに市町村の防災担当者
・新潟県ならびに市町村社協職員  など

プログラム
1. 講義「技術系災害ボランティアによる災害支援活動とその課題」
講師;黒澤司氏(DRT-JAPAN)
2. ワークショップ
1グループ;地震災害(屋根上)支援のための商品開発を考える
2グループ;洪水・土砂災害(床下・土砂撤去)支援のための商品開発を考える
3グループ;技術系災害ボランティアを支えるための仕組みを考える
3. 発表・共有
4.交流会(17:00~有料)

申込
氏名・所属・電話番号・メールアドレスを明記の上、メールもしくはFAXにて、中越防災安全推進機構の河内までご連絡ください。
E-mail t-kawauchi@cosss.jp FAX 0258-39-5526
※交流会に参加される場合は、申込時に合わせてご連絡ください。

第2回物資等支援・受援体制検討会

6月28日に第2回目となる物資等支援・受援体制検討会を開催しました。

前回の第1回検討会(http://ndcvc.org/?p=804)では、行政を主体とする緊急時の物資支援と公的支援の隙間を埋める従来のスマートサプライの支援が少し混同してしまい、皆さんに誤解を招いたところもあることから、行政を主体とする支援と民間主体の支援を切り分けて説明をさせていただきました。(下図参照)

緊急期の支援についても、スマートサプライを用いることで、より効率的に行政などから企業に対して支援物資の依頼を発注できる可能性があると考えられますが、こちらについては行政や企業が中心となることもあり、スマートサバイバープロジェクト(以下SSPJと記す)とコメリ災害対策センター、チーム中越などで別途検討中であることを報告させていただきました。

復旧・復興期を中心とする行政支援の隙間を埋める形のスマートサプライの活用はこれまでの災害でも行われてきていますが、災害時にスムーズに活用するためには、平時からスマートサプライを使える人材の育成や仕組みを構築しておくことが必要です。
そのため当検討会では、復旧・復興期においてスマートサプライを活用するためには、どうしたらよいかを中心に検討することになりました。

災害時にスマートサプライをスムーズに使えるようになるためには、平時からスマートサプライに使い慣れておくことが必要となります。
そこで、平時の活用のイメージを皆さんに持ってもらうために、SSPJの矢崎さんから活用事例をいくつか紹介いただいた他、チーム中越で仮に作成した支援募集サイトを見ていただきました。

スマートサプライによる支援リストのイメージ

その上で、ワークショップを行い、皆さんからスマートサプライの平時からの活用に関するアイデアについて意見を出していただきました。

ワークショップでは、「社協ボランティアセンターのボランティア募集」「余興ボランティア団体とのマッチング」「困窮者への支援」「子ども食堂への食材や調理器具の募集」「貧困世帯への学習支援」「子ども会や町内会での活用」「インターンの募集」「協賛金の募金」「活動実態調査」「子守ボランティア募集」など様々なアイデアが出されました。

次回検討会までに、一つでも二つでもスマートサプライの平時活用の事例を実際に構築したいと考えておりますので、ご期待ください。
また、こんな使い方があるのではと言ったアイデアもお待ちしています!

第1回物資等支援・受援体制検討会

第1回目となる物資等支援・受援体制検討会を2月21日に開催しました。

前回の長岡協働型災害ボランティアセンター勉強会「災害時の物資支援を考える」(http://ndcvc.org/?p=780)では、東日本大震災や熊本地震において物資支援などで活用されたスマートサプライの経緯や仕組みなどを紹介いただき、その活用の可能性について考えました。
今回開催した「物資等支援・受援体制検討会」では、このスマートサプライのより具体的な活用を検討するために、長岡において災害が起こった場合にスムーズに物資等の支援を受け取るにはどうしたらよいか?また、他地域で災害があった場合にはどのように支援を行ったらよいか?を長岡市内を中心とする22のNPO、行政、企業などの団体の皆さんに集まっていただき、意見交換が行いました。

前半は、東日本大震災当時の支援の成果や課題を振り返ると共に、東日本大震災の際に知元スーパーの原信さんに物資支援のご協力をいただいた事例(http://ndcvc.org/?p=791)や過去の災害によるNPO法人コメリ災害対策センターさんの物資支援の取組みなど、県内企業の災害時の支援活動を報告いただきました。

その上で、前回の勉強会で報告いただいたスマートサバイバープロジェクトの矢崎さんより改めてスマートサプライの仕組みの説明やスマートサプライのデモを行っていただき、参加者の皆さんにスマートサプライの可能性や課題を考えていただきました。

後半は、第一部の話を踏まえて「長岡市における災害時の物資等を受援する際の課題と可能性を考える」「他地域での災害時における物資等の支援の課題と可能性を考える」と言う二つのテーマでワークショップを行い、参加者の皆さんから幅広いアイデアやご意見をいただくことが出来ました。

ワークショップにおいては、「スマートサプライは在庫管理や削減に有効」「情報の見える化は有効」「細かいニーズを把握できる」などと言った肯定的な意見が出された半面「どのように住民に知ってもらい使ってもらえるかが課題」「避難所の仕組みが出来上がってからでないと活用が難しい」「個人ニーズが出てくると優先度のつけ方が難しい」「平時から使える仕組みにすることが大切」と言った課題も見えてきました。

今後は、次回の検討会に向けて、皆さんからの意見を参考に論点を整理して、長岡における物資の支援・受援体制を整備するにはどうしなければいけないかについて議論を深め、災害時の備えを高めていく予定です。

【参考】検討会のプログラム

第一部 過去の災害における物資支援・受援の課題とスマートサプライの可能性

  • 過去の災害における物資支援・受援の実績と課題
  • 東日本大震災ボランティアバックアップセンターによる被災地への物資支援の成果と課題
  • 東日本大震災ボランティアバックアップセンターによる長岡市内の避難所への物資支援の成果と課題
  • 新潟県内企業による災害時の物資支援の状況(20分)
    -東日本大震災における物資支援;アクシアル リテイリング株式会社
    -災害時における物資支援の取組み;NPO法人コメリ災害対策センター
  •  スマートサプライを用いた物資受援・支援システムの概要(45分)

第二部 ワークショップ「長岡市における災害時の物資等を受援する際の課題と可能性を考える」

第三部  ワークショップ「他地域での災害時における物資等の支援の課題と可能性を考える」

平成27年度第三回被災時対応検討会/ボラセン連絡会を開催しました。

3月14日に第三回被災時対応検討会を長岡協働型災害ボランティアセンター連絡会を兼ねる形で開催させていただきました。

今回の検討会には、いつもの検討会の参加団体に加えて、これまでの勉強会に参加いただいた団体の方々も併せて、総勢16団体もの皆様にお集まりいただき、それぞれの団体の抱える課題や今後の対策について意見交換を行いました。

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主な意見交換の内容は以下の通りです。

これまでの勉強会の成果
食物アレルギー支援の分野では、勉強会をきっかけに長岡保健所と長岡にこっとクラブの連携が生まれた。また、災害食レシピや災害食グランプリの中でのアレルギーが取り上げられるなど、様々な展開に発展してきている。長岡市においても基本的には食料備蓄は流通在庫でまかなうという方針になっているが、勉強会などでの学びをきっかけとしてアレルギー食の備蓄が開始された。

現状と課題、これから私たちが行うべきこと

災害時に障がい者の方々の置かれる状況を知る
健常者からは、災害時に障がい者がどのようなことに困るのかがわからないので、対応につながらないケースが多い。事前に災害時に障がい者がどのように困られるのかを知っておくことが必要。
例)ろうあ者の場合、避難所で放送があってもわからない、停電の場合は、手話も使えない。知的障害の方の場合は、パニックになりやすいなど。
→すこやかともしび祭りのような福祉のイベントなどを通して、災害時に障がい者の方々がどのような状況におかれ、どのようなことに困るかを市民に知ってもらうことも大切。

避難者の識別
避難所には様々な方々が入られるが、一見しただけではどういった方(ろうあや知的障害などの障がい者や食物アレルギーの方など)が入られているかわからないため、しっかりとした支援を受けられない方々が出る可能性がある。
→ビブスなどの着用を進めることで、識別できると良い。全国共通で出来ると良いので、すでにあるものを活用すると共に、ないものは新たに作る。
支援者も何が出来るかが明示できると良い。(長岡で分類してみてもよいのでは)

福祉避難所について
障がい者や子育て中のお母さんなど、地縁コミュニティに属していない方々も多いことから、そういった人たちの入れる福祉避難所を作ることも大切。普段から安心していけるところが、災害時にも安心していれるところになる。
ただし、福祉避難所に行かなくても、地域の避難所に安心して入れるような関係性を作ることがまずは大切。
→長岡市では福祉避難所を設置していく予定。二段階で考えており、一段階目は行政の福祉避難所で、高齢者センターのようなところに軽度な要援護者を、二段階目は介護系の施設にもう少し重度な方々をが入れるように。(子育てなど、様々なテーマ型の受け入れまでは今のところ考えられていない。これから徐々に増やしていく予定)

その他
避難所運営は避難してきた人たちをどうコントロールするかというイメージがあるが、避難できない取り残された人たちを探し出して、どのようにフォローしていくかを考えることが大切。

様々な団体との意見交換を通して、課題や今後やるべきことが浮き彫りになってきましたので、今後は以上の議論を基に具体的な対応へとつなげていく予定です。

平成27年度第二回被災時対応検討会を開催しました。

本年度第二回目の被災時対応検討会を1月26日に開催しました。

週末の大雪の影響を受けて残念ながら長岡市の危機管理防災本部の皆さんには参加いただけませんでしたが、社会福祉協議会を始めとする市内の7つの団体の皆さんにお集まりいただくことが出来ました。

この日の主な議題は、「長岡市における水害対応を考える-常総市の水害支援から学ぶ-」と題して、信濃川が氾濫するような大水害が発生した場合に、どのような事態が発生し得るのか、またそのためにどのような備えを取っておくべきなのかを、信濃川の浸水域を示すハザードマップを見ながら意見交換をしました。

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以下に検討会で上がった主な意見を記します。

 1.支援拠点(災害ボランティアセンター)の設置場所をどうするか?
現在、長岡市における災害ボランティアセンターの設置場所は、長岡市民防災センターになっているが、信濃川の右岸が破堤すると防災センターも水没してしまう。逆に左岸が破堤した場合には橋の通行規制などにより災害ボラセンから被災地まで支援に行くことが非常に困難になる恐れが考えられる。
このようなことから、信濃川の両岸の浸水エリア外に災害拠点となり得る施設の候補を予め検討しておく必要がある。

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 2.交通状況の把握
常総市における水害では、市街地も含めて広範な地域が水没してしまったために、通行可能な主要道路に交通が集中し、渋滞を引き起こし、物資やボランティアの輸送などの支援活動にも大きな影響を及ぼした。信濃川氾濫時には長岡においても同じような状況が予想される上、先日の大雪では国道8号線をはじめとする主要道路が大渋滞を引き起こし、物流にも大きな影響を及ぼしたことから、交通情報についてどのように共有し、情報発信を行うかが重要になる。
また、行政からの情報は信頼性が高い一方、民間からの情報をすぐに活用できないなど、即時性の面で課題があげられることから、官民連携の情報発信のシステムも検討する必要がある。

 3.信濃川破堤時の水の出方と引き方のシミュレーション
信濃川が破堤した場合にどのように浸水するかを予め知っておくことは避難を考える上で有効である他、水の引き方を知っておくことは、ボランティアの受け入れのタイミングや活動範囲を検討する上でも重要である。

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4.町内に対する啓発
常総市においては、市民が発災後の対応についてほとんど知識がなく、対策が後手に回った。家屋が水に浸かった場合にどのような対処をしなければならないか、また災害ボランティアの受け入れなどについても、町内や市民に啓発を図る必要がある。

以上の事項について、今後、行政も交えて検討を行い、具体的な対策につなげていく予定です。

第4回広域災害支援検討会を開催しました

今年度最後となる第4回広域災害対応検討会では、第3回で議論された避難者受け入れの課題や可能性についてふり返りを行った後、これからやっておくべきことを中心に議論がなされました。

その中で、行政だからこそ出来る支援はなんなのか、民間だからこそ出来る支援は何なのかを明確にし、互いの特徴を活かした支援体制を作っていくことが必要ではないか、また、過去の経験をしっかりと継承し、体制整備を行うと共に、人材育成を図っていくことが大切であるという結論に至りました。

次年度以降は、今回の議論を基に、現在行政にて見直しが行われている避難所マニュアルをベースとして、ボランティアによる避難所支援や地域の視点から、官民協働の避難所運営について検討を行う予定です。

以下、検討会の要旨です。

◆行政だからこそできる支援
・継続性
・安定性
・長岡市の避難所運営マニュアル H26年度内に暫定版を作成
・立場でつながる
・参集職員が150名以上いる
・年度初めに避難所の参集職員に対する説明会がある
・指定避難所と非指定避難所の違い
(どちらでも物資や食事は入れるでも市の担当はいない)

◆民間だからこそできる支援
・即効性
・個別性
・民間団体の特色によって活動できる
(フレームワークは行政で構築する)
・専門性に長けている
・ボランティアセンターがHUBになって、民間団体
・顔でつながる
・避難準備情報の事典でどのように動くべきか協議すべき
・本来であれば地域での動きも検証しなくてはならない
・行政へのコーディネート支援を行う必要がある
・ALL長岡の避難所 300以上

◆コーディネーターの職責を明確にする
・地域制
・人材育成

◆経験の伝承→実体験を追体験→長岡市の職員研修で行う
★よかったこと、悪かったこと、何を判断基準にしたかを伝承することが重要
★事例、エピソード、判断基準

◆避難所運営マニュアルの本来の目的は来る市民に対して
「各自が準備を万全で避難する重要性」を伝播する

◆中越大震災では19万人中、5万人が避難した

◆避難する立場から考えれば地域内の集会所などにいったん集まってもらったほうがいい

◆マニュアルを検証しながら
「行政」
「民間」
「地域」
がやるべきことを洗い出す必要がある

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第3回広域災害支援対応検討会を開催しました

東日本大震災の時の避難者受け入れの経験を検証し、その経験を今後発生が予想される首都直下地震や南海トラフ地震に活かすべく、検討を行います。
第3回広域災害対応検討会では、避難者の受入れや避難所対応に当たった、長岡市、長岡市社協、中越市民防災安全士会、中越防災安全推進機構のメンバーから話を伺った他、現在、新潟県で進めている避難者受け入れ体制の整備状況についても報告頂きました。
以下、検討会での議論の要旨です。

上手く行った点
ボランティアによる支援

  • 事前登録制
  • 行政の手の届かない個別ニーズへの支援
    • 避難所から病院までの通院の送迎、足腰の弱い方々への介添え支援
    • 子育て世代の方々が避難されたロングライフセンターはになニーナの皆さんが支援
    • 地区社協やボランティアなどによる炊き出し支援(地域ごとでの食事ボランティアのローテーション、福祉系主事による連携も)
    • 足湯ボランティア→具体的な解決につなげられなくても被災者の心のケアに
  • 長岡ならではの被災経験に基づいた勇気づけ
  • 企業による支援
    • 物資の仕分けボランティア活動
    • 夜間の見回りボランティア
    • 家庭教師
  • 本部運営のための事務局ボランティア

避難所運営

  • 避難者による避難所運営(班分けとリーダー)

課題・可能性
支援側

  • ボランティアと行政職員間(+避難者)の意思疎通・調整→調整役・相談役の不在(東日本大震災では安全士会の畔上さんを中心に実施。)
    • ボランティアの方がベテランになってしまうことで、行政職員がイニシアチブを取れない。
    • 東日本の時は行政と被災者とで毎日情報交換会を実施
    • ボランティアのストレス→本部スタッフが避難所を知らない、現場でのコーディネートまで出来ていない。
  • 行政とボランティアとの役割分担
  • 行政とボラセンとの意思疎通(例;避難所への避難者の入れ方など、民間が支援が出来る支援をするための情報共有)
  • 一部被災者からのボランティアに対する心ない言葉(長期化に伴い)
  • ボランティアによる特定の被災者に対する支援に対する僻み
  • ボランティアの資質(ドタキャンなど)
  • ボランティアとしての活動の正解(何が正しいのか?)
  • 過剰なボランティア(被災者の自立を阻害する可能性)
  • 被災者の自主性、自由度、選択の余地を残すような支援
  • 男性が外に出て頑張れるような支援(子ども、女性、高齢者向け)
  • コミセンなどのサークルの活用(市民が出来る支援)
  • 避難所の運営体制・組織体制が混乱(行政職員の避難所運営の経験が伝えられていない(世代交代)?)
  • 行政職員のオーバーワーク(不眠不休)
  • 行政職員間での引継ぎ;ノートで対応したが、引き継ぎきれない部分も

被災者

  • 避難者の生きる意欲・気力の低下
  • 避難者間の確執

その他

  • コミセンにおける避難所開設の不安(何をしたらよいかわからない)
  • 後方支援窓口(現地では対応しきれないことを後方で対応できるように)

行政、ボラセン、ボランティア、それぞれがやれることを!

次回の検討会では、以上の内容を踏まえて、今後、長岡で行うべき避難者受け入れの体制や対応について考えます。