平成29年九州北部豪雨 先見調査

7月15日から17日の3日間に渡って、長岡市+チーム中越の官民連携ユニットで九州北部豪雨の被災地に先見調査に入りました。
今回の調査では、被災地の状況を把握したうえで、今後、どのような支援の必要性があるかを調査を行ってきました。

テレビなどのメディアを通じても報じられていますが、調査に入った朝倉市では想像を超える量の流木や土砂が市街地にまで流れ込んでいた他、浄水場も被害を受けたため水道が使えないなど、大きな被害が出ていました。また、中山間地においても、流木や土砂によって家屋自体が埋まってしまったり、損傷を受けている家屋も多くみられるなど大きな被害が出ていました。
想像を超える豪雨によって、山肌が削られ、流れ出た流木や土砂が被害を大きくしたようです。その他、まだ避難勧告が発令中で立ち入りが出来ない地域も多くありましたが、そこの住民の皆さんから話をお聞きしたところ、「水によって地形が変わってしまい、多くの家も流されるなどの被害をうけており、元の集落に住めるかどうかすらわからない。」「今のまま復旧させてもまたいつ山が崩れてくるかわからないので、根本的な対策が終わるまでどうしようもない。」と言った切実な声が多く聞かれました。
地域の復興には長い月日がかかることが予想されますが、被災地域の住民やそれを支援する行政の皆さんからすると今後の生活再建や復興がどのように推移するのか想像すらつかない状況の中で、果たして今どのような対応をするべきか、焦燥感ばかりが募る状況ではないかと思います。

全てが同じ状況ではありませんが、同じ中山間地における土砂災害である中越地震の経験がきっと役に立つのではないかと思いますし、中越地震の際に全村避難をした山古志村の経験や中越の中山間地集落の復興のノウハウなどを活かした支援が今後求められると思います。

チーム中越としては被災地の中長期の復興を支援をすべく、今後、長岡市と検討を重ねながら中越地震の復興の経験などを活かした官民連携での支援を行っていく予定です。

熊本市の支援団体の皆さんに中越にお越し頂きました。

5月10日~12日の3日間に渡って、熊本市内で熊本地震支援に当たられている3団体の皆さんを中越にお招きしました。
今回お越しいただいたのは、チーム中越が熊本で行っていた避難所での支援活動を引き継いでくださったNPO法人小町ウイングの皆さん、そして、熊本市の支援活動を行う中でいろいろと交流のあったNPO法人ソナエトコとNPO法人くまもと災害ボランティア団体ネットワークの計3団体、6名の皆さんです。

最初にご案内したのが、柏崎市の「まちから」。

東日本大震災後に、福島から避難されてきた皆さんをどのように支援してきたのかを地域サポートセンター柏崎の渡辺さん、そして、共に育ち合い(愛)サロンむげんの増田さんからお話を聞きました。
熊本でもみなし仮設で生活されている方が非常に多いため、市と連携した見守りの方法や想いなど、いろいろと共感されることが多くあったようです。

2日目の午前中は、えんま通り商店街の石川さんより、中越沖地震以後の商店街の復興の様子についてお話しをいただいた後に、実際にまちを歩き、震災後のまちの復興の様子を見ていただきました。

後半は、NPO法人柏崎まちづくりあいさの水戸部さんから、大学生の時に柏崎の震災復興支援にかかわるようになってからこれまでの地震の歩みなども交えながら、柏崎におけるまちづくりの取組みや中間支援のあり方などについてお話をいただきました。

午後からは、場所を柏崎から川口にある「きずな館」に移して、NPO法人くらしサポート川口の中林さんから川口の復興やNPOの活動について説明を受けた他、(公社)中越防災安全推進機構ムラビト・デザインセンターの阿部さんからは、自身がどのようにして支援の世界にかかわり、川口に移住するまでに至ったのか、また、地域外の若者をどのように中山間地に呼び込もうとしているかなどについてお話しいただきました。
熊本の皆さんも、支援活動を続けるにあたって、どのように人材を確保するかは大きな悩みだったようですが、水戸部さんや阿部さんの話を聞いて、少しヒントが得られたようでした。

最終日の午前中は、山古志の視察です。木籠の郷見庵でお茶やお惣菜をいただきながら、松井さんから郷見庵のことについてお話を伺いました。

「おらたる」では、館内の展示案内をしてもらった後に、ガイドをしてくれた関さんから子どもの時に震災に遭ってどのようなことを感じたのか、また、ガイドになった経緯などについてお話をいただきました。

中越地震が起こってからほぼ13年間に渡って支援活動を続けられている地域復興支援員の佐野さんからは、震災後どのように地域の皆さんと接してきたのか、何を大切にされてきたのかをフェーズ毎に説明いただきました。山古志と熊本市では立地条件も文化もかなり異なるのですが、それでも支援の仕方や行政や社協との連携のあり方など、参考になるところは沢山あったようです。

この日のお昼は震災後に山古志に出来た農家レストラン多菜田。地域の山菜などをふんだんに使った料理をいただいた後に、代表の五十嵐さんからお店を立ち上げるまでの経緯などについてのお話をいただきました。
震災を乗り越えて元気に活躍している「山のかあちゃん」のお話を聞くと、私たちも元気をもらうことが出来ます。

そして、最後は「きおくみらい」にて、チーム中越のメンバーと意見交換。チーム中越がどのようにして出来たのか、その成り立ちと現在の活動を紹介させてもらった上で、熊本の皆さんから3日間の感想や質問などをいただき、意見交換を行いました。
熊本と長岡では、歴史文化も異なるので、なかなか長岡の経験がそのまま熊本に生かせるということは少ないかもしれませんが、少しでも私たちのこれまでの経験が役に立てば嬉しいことです。

今回、中越に熊本の皆さんに来てもらった目的は、中越地震や中越沖地震の被災地がどのように復興してきたかを実際に見聞きし、支援団体間で共有してもらうことで、少しでも熊本の支援のお役に立てばということ。そして、一時でも、熊本を離れることで、支援団体の皆さんにも少し息抜きをしてもらえればということでした。
と言いつつも、結構盛りだくさん視察だったのですが。。

熊本の復興はまだまだこれからだと思います。
距離の関係もあり、なかなか頻繁に行き来することは難しいですが、出来る限り熊本の皆さんに寄り添いながら、支援団体の皆さんを中越から支えていければと思います。

最後になりますが、今回熊本の皆さんを中越にお招きすることが出来たのも、長岡市内外のとても多くの皆さんからチーム中越に対して熊本地震復興支援金募金の協力をいただいたからにほかなりません。
チーム中越の活動に賛同し、募金の協力をいただいた皆様に心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。

なお、いただいた熊本地震復興支援金募金につきましては、今回の視察経費を差し引いた残額を熊本の支援団体の皆様に寄付させていただく予定です。募金の使途等につきましては、改めて皆様にご報告させていただきます。

【糸魚川大規模火災被災地支援】街頭募金を行います。

チーム中越では、12月22日に糸魚川市で発生した大規模火災を支援するために、災害前よりも明るい糸魚川にしようと活動を行われている「がんばろう糸魚川プロジェクト」のみなさんと協力をして、1月14日にアオーレなかどまにおいて街頭募金を実施します。
がんばろう糸魚川プロジェクト https://www.facebook.com/Forward.to.the.Future.ITOIGAWA/

多くの皆様のご支援をお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。

日時;平成29年1月14日(土)10:00~15:00
場所;アオーレ長岡 なかどま

また、街頭募金活動にご協力いただけるボランティアもあわせて募集しております。
ご協力いただける方は、10:00~15:00の間に「アオーレなかどま」までお越しください。
(ご協力いただく時間は30分でも1時間でも構いません。)

問合せ;チーム中越 水澤 TEL090-7732-7978

第7回勉強会「平成27年9月関東・東北豪雨災害支援から学ぶ」を開催しました

11月9日、第7回長岡協働型災害ボランティアセンター勉強会「平成27年9月関東・東北豪雨災害支援から学ぶ」を長岡震災アーカイブセンターで開催し、約30名の方々にお越しいただきました。

勉強会では、長岡青年会議所、新潟県社協、長岡市社協、中越防災安全推進機構、にいがた災害ボランティアネットワークなど、関東東北豪雨災害支援に関わった団体の関係者からそれぞれの活動について報告していただきました。

支援に入るまでの経緯や支援活動内容について、それぞれが発表を行い、関東・東北豪雨災害支援における課題について話し合いを行いました。

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支援を行う上での課題として以下の様な意見が出ました。

  • 被災エリアが広いため、ボラセン開設初期におけるニーズの把握が困難。
  • 活動の固定化によりボラセン内で改善提案が行われない。
  • 地元のボラセンスタッフを継続的にフォローする人間の不足。
  • 地域を任せられるだけの経験のある団体は、ボラセンの指揮系統化に入らずに現場を任せられた方が動きやすい。
    任せてもらった方が良い支援ができるのではないか。
  • ボラセンによっては外部との連携が全くできていない所もあった。平時からの連携が大切。
  • 県も民間の支援団体と連携する事でもう少し上手く動ける可能性がある。県としては被災地の情報を得る事が困難なので、現場からの情報を頂けると効果的な支援につながるのではないか。
  • 現地の社協、NPO、行政が自分達の未来や地域をどうして行きたいかを一緒に考える機会が必要ではないか。
  • 外部支援者は活動が短期のために頑張れるが、被災地の社協職員は自らも被災している中活動を行っている。そこを考慮して、地元に負担をかけないような仕組みが必要。

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今回の勉強会では外部支援団体としての支援のあり方や、民と官の協働についてなど具体的な課題が挙げられました。今後の勉強会ではこれらの課題を深く掘り下げる事により、中越地区で同様の災害が発生した場合にどのような対処ができるかについて検討を行いたいと思います。

第6回災害ボランティアセンター勉強会 「災害時の長岡市との連携を考える」を開催しました

第6回目の長岡協働型ボランティアセンターの勉強会は「災害時の長岡市との連携を考える」をテーマに災害時に長岡市危機管理防災本部の皆様をお招きして開催されました。ボラセンメンバーの他にも安全士会、市議、NPO団体関係者など計30名ほどの方々が集まられました。

今回の勉強会では、災害時における市の対応について学ぶと共に、今一度、行政と災害ボランティアセンターや地域との連携による災害支援の可能性を、参加者の皆さんと一緒に考えました。
まず、長岡市危機管理防災本部より災害時に設置される災害警戒本部や災害対策本部の設置条件や指揮系統等、長岡市内部における組織体制について説明がありました。
その後、災害発生時におけるボランティアとの協働事例として「平成25年7月・8月豪雨」時の乙吉地区への対応状況についての説明を受けました。

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今回の勉強会で分かった事
・行政としてもボランティアの持つ高い専門性や住民に近い支援活動に期待している。
・個人宅においても最低限生活する上で必要な箇所は市の規定に従って公的支援で応急修理は可能。
・行政には公平性という壁がある。民と行政が一緒に公平性の壁について考えられたのは貴重なケース

明らかになった課題
・関係者がどういったルールでボラセン開設前に情報共有を計るのか不明確
・行政としてはボランティアに期待できる支援内容の把握が不十分であるため、支援を必要とする現場とのマッチングがうまくいかない事が想定される。

今後すべきこと
・発災直後、ボラセン開設前の段階における関係者間の情報共有方法の検討。
・行政とボラセンがどの団体が何をできるのかを共有し災害時に支援を依頼しやすい体制を構築する。
・現場において行政が対応可能な部分とボランティアが対応すべき部分の明確化

今回の勉強会では乙吉の水害のケースを通して、協働のあり方を再認識する事ができました。
災害時に行政とボランティアが協働するためには、平時よりお互いの性質を理解して役割を明確化しておく事が必要なのと、お互いに相談をし合える横のつながりが大切であると思いました。
今後、今回出た課題や意見について具体的に考える事でより良い協働の形を構築していきたいと思います。

国連防災世界会議「新たな官民連携・コーディネーション機能構築に向けて」

仙台で開催された第3回国連防災世界会議において、パブリックフォーラム「災害時における支援調整の仕組みを考える~新たな官民連携・コーディネーション機能構築に向けて~」を開催しました。
このフォーラムは、(仮称)全国災害NPOセンター(JVOAD)準備会、ジャパン・プラットフォーム、災害ボランティア活動支援プロジェクト、震災がつなぐ全国ネットワーク、日本青年会議所などの団体との共催によって開催されたものであり、当日は180名を越えるNPO/NGO、社協、行政の方々が集まられました。

日本の災害対応における官民連携の必要性やアメリカにおける支援調整(NVOAD)の連携事例についての発表がなされた他、日本における調整の仕組みのあり方などについてパネルディスカッションが行われました。

中越地震以降、長岡市や新潟県内においては、官民連携の取組みが進みつつありますが、まだまだ仕組みとしてしっかりさせていく必要があります。
長岡や新潟において地に足の着いた官民連携の仕組みを構築しつつも、全国各地のネットワークと連携を図りながら、全国レベルでも災害対応のための官民連携の体制を整えていければと思います。

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長岡協働型災害ボランティアセンターが防災まちづくり大賞消防庁長官賞を受賞いたしました。

長岡協働型災害ボランティアセンターが第19回防災まちづくり大賞の消防庁長官賞を受賞いたしました。
平成22年の「被災時対応検討会」の取組みから始まった、この長岡の協働型災害ボランティアセンターの取組みですが、豪雪や水害、東日本大震災などの度重なる災害を受け、その都度、支援活動を出来る団体・個人が出来る支援をということで体制整備を行いながら取り組んできました。

今回の受賞は、災害ボランティアセンターとしての活動だけでなく、これまで支援活動に関わって下さったボランティアや関連団体などの皆さんとの連携・協働が評価されたものだと思います。

今後とも長岡における様々な団体との連携・協働体制を強化し、災害に強い地域づくりを進めると共に、この知見を全国に向けて発信することで全国各地の防災力向上に役立てるように活動を進めていきます。

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http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h27/02/270202_houdou_1.pdf

平成25年 長岡災害ボランティアセンター(水害)

○概要
平成25年7月末に長岡市乙吉地区を中心に襲った豪雨災害の支援のために災害ボランティアセンターを設置。当初は8月1日から4日までの4日間の予定で開設を予定していたが、活動進捗状況から活動期間を延長8月11日までの11日間活動を実施した。最終日には地域の皆さんへの炊き出しとボランティアからの応援のメッセージを込めて「炊き出し交流会」を実施した他、ボランティア活動終了後の8月24日には、町内主催で開催された町内クリーン作戦にも災害ボラセンとして協力を行った。
○設置日

平成25年7月30日
○設置場所
ながおか市民防災センター
※現地本部として、乙吉町公民館を借用
○活動期間
平成25年8月1日(木)~8月11日(日)
○支援対象
平成25年7月・8月豪雨で浸水被害を受け、自力での復旧作業が困難な方々
○活動内容
住居内の土砂出し、住居の出入り口・周囲の土砂片付け、敷地内の流木・ゴミ片付け
○活動件数
71箇所(延べ260箇所)
○ボランティア数
延べ2331人
○構成団体
(社福)長岡市社会福祉協議会、(特活)住民安全ネットワークジャパン、(一社)長岡青年会議所、ひのきしん隊、SerV、(株)野村防災、(特活)にいがた災害ボランティアネットワーク、DRT JAPAN、(公社)中越防災安全推進機構 他

平成25年 栃尾地域災害支援ボランティアセンター(水害)

○概要
平成25年7月末に長岡市栃尾地域を襲った豪雨災害の支援のために災害ボランティアセンターを設置。栃尾支所と山の暮らし再生機構栃尾サテライトが協働で災害ボランティアセンターの運営を行った。
○設置日

平成25年7月30日
○設置場所
長岡市栃尾保健福祉センター
○活動期間
平成25年8月1日(木)~8月4日(日)
○支援対象
平成25年7月・8月豪雨で浸水等の被害を受け、自力での復旧作業が困難な方々
○活動内容
住居内の土砂出し、住居の出入り口・周囲の土砂片付け、敷地内の流木・ゴミ片付け
○活動件数
50箇所
○ボランティア数
延べ687人
○構成団体
(社福)長岡市社会福祉協議会、(社福)新潟県社会福祉協議会、(公財)山の暮らし再生機構栃尾サテライト

平成24年 長岡雪害ボランティアセンター

○概要
平成24年1月の大雪により、雪害ボランティアセンターを設置。2月1日から5日までで一旦活動を終了したが、その後再び寒波の到来が予想されたことから第2次活動を実施した。
○設置日

平成24年1月30日(月)
○設置場所
ながおか市民防災センター
○活動期間
第1次:平成24年2月1日(水)~5日(日)
第2次:平成24年2月11日(土)~12日(日)
○支援対象
自力での除雪作業が困難な世帯
○活動内容
玄関先、避難口、住宅周りの除雪作業、屋根雪下ろし(危険が伴う場合は対象外)
○除雪件数
第1次:43件、 第2次:43件
○ボランティア数
第1次 :240人、第2次:234人
○構成団体
(社福)長岡市社会福祉協議会、(特活)住民安全ネットワークジャパン、(一社)長岡青年会議所、(社)中越防災安全推進機構 他